カフェオレに合うミルクと、コーヒー豆の組み合わせの研究

2016/6/22発行2020/05/22修正

<概略>
至極のカフェオレを追及しています。一般的に、喫茶店や焙煎豆屋さんではカフェオレ用ブレンドを提供していることろは少なく、たんに「そのお店の最も深煎りのやつ」をカフェオレ用にぶつけてくると思うんですが、それじゃダメなんです(怒)。どれだけ深煎りしても酸っぱい系のお豆さんは牛乳と合わないので、都会気取りの喫茶店のカフェオレは、なかなか僕の好みに合いません。
また、カフェオレは牛乳によっても大きく風味が左右されます。どこの産地の牛乳も同じ味だと思ったら大間違いですからね(怒)。甘かったりこってりしてたりミルク臭が強かったりと風味が全然違くて、それによってコーヒーとの相性が天と地ほどに開きます。至極のカフェオレを望むなら、牛乳の妥協はだめ。許しません。牛の種類とか脂肪分を相性の基準にするのはどうも間違いです。産地に味が類似する傾向が見えますので、草か飼料が牛乳の味を決めるのかなと漫然と考えています。
本検討はまったく客観的な要素はありません

<結論>
ミルクに合わせてうまい豆をいろいろ調べました。先に結論を述べます。本研究に使用したコーヒー豆については、実験の詳細をしたに載せました。
@ 1銘柄のお豆さん場合
カフェオレ用に、ストレートのお豆1銘柄を選ぶとしたら断トツで「ホンデュラス」。
A 2銘柄のお豆さんブレンドの場合
次に2種類のブレンドを検討した時、「ホンドュラス」と「コロンビア」でカフェオレを作ったものが最もおいしく、ある程度満足のいく味にできた。
B3銘柄1:1:1のブレンドを試した結果、僕の研究心は挫折した
さらに、3種類のブレンドに挑戦。まず取り掛かりとして、先のホンデュラスとコロンビアの組み合わせに、ミルクに合うブラジルを足してみたところ、思わぬことに逆に鼻に抜ける嫌なカラさというか苦味が増してしまい逆にまずくなってしまった。コーヒーの研究は、これにて挫折。
純粋にコーヒーを楽しみたいので、あとはお気に入りのカフェオレブレンドを買ってくればいいやという発想に至る。
Cカフェオレに合う牛乳の考察
牛乳でカフェオレの味は激変します。
栃木県大田原市において手に入りやすい牛乳を色々試してみた。その一覧とそのスペック、その感想を下に載せているので見てほしい。産地やメーカーにより牛乳の味は変わり、カフェオレに合わないものがあるのでよく吟味しないといけない。乳牛にはおおむね、ホルスタイン、ガンジー、ジャージーが目につくが、牛乳の味を決めるのは品種ではないようだ。どちらかと言えば地域によって風味が似てくる傾向を感じるので草とか飼料などが関係しているのかもしれない。ちなみに、牛乳は季節により味を変えるらしいが、カフェオレにしてしまった場合、僕の能力ではその変化を判別できない。
無脂乳固形分や乳脂肪分の濃度が牛乳とコーヒーの相性に影響を与えるといわれているが、どうもそういうことはないようだ。カフェオレ専用ミルクとして無脂乳固形分が高で乳脂肪分が低めな牛乳が売られているが、いろいろな産地の牛乳を試した結果、それら濃度と牛乳とコーヒーの相性に相関関係はみられなかった。おそらく牛乳の味を大きく左右する最大のものは、その土に由来する飼料か草かそのあたりなんだと思っている。
現在、おすすめは5商品。一番はタカナシ乳業の倉敷牛乳(岡山)。ベイシアと塩原屋で入手可。口に含んだ直後の感動はないが、後からshozoよりも強いクリーム感、牛乳感、うまさが襲ってくる。これは超幸せを感じられる。2つめは小岩井乳業の3.7牛乳特選。過去にはオータニ黒磯店で入手できたが今はどうだろう。旧西那須野エリアのオータニでは置いていない。shozoの牛乳は小岩井のものらしく、shozoの味に限りなく近く仕上がる。牛乳の香りが濃く、いい具合に強い牛乳臭さを発し、ほどよく甘い。3つめ、四国乳業の「坊ちゃん」。たいらやに土曜日に3本しか入荷されず基本売り切れ状態。四国乳業のミルクは、甘く、程よく牛乳くさい香りが後に残り、コーヒーに混ぜるとすごくいい。4つめ日光霧降高原大笹牧場の牛乳。単体で飲み比べても先の坊ちゃんと区別できない。甘さと臭さが丁度いい。針谷の牛乳はこってり感や牛乳感が弱くなるものの、甘さが際立ち趣きの違ったカフェオレを楽しめる。
クリーミー感で言えば倉敷>小岩井>四国の坊ちゃん=霧降大笹>針谷。甘さで言えば針谷>四国の坊ちゃん=霧降大笹>小岩井>倉敷の順に感じる。僕として喫茶店をやるなら倉敷を使いたいと思っていたが、最近では入手しやすい霧降の大笹牧場牛乳で喜んでいる。

<カフェオレのおいしい入れ方>
ちょっと目を通してくれ!カフェオレのおいしい入れ方を言いたい!
マグカップ2杯分(400ml)のカフェオレを作る場合
@ホンデュラスとコロンビアの深煎りを1:1で用意する。最善はshozoのカフェオレブレンド買ってきて!
A、@の豆をカリタのメジャー山もり2杯分20g量り、中挽きより気持ち粗目を目指して、ドリップした時の泡の色が土色(BR-4)になるくらいが僕好み。土色より白いと粗すぎてうまくないし、濃いと苦い。ドリップの泡を基準にした方が分かりやすいと思う。
Bミルク200mlをレンジ600kwで1分30秒温める。鍋で温めるでも可だが差異を感じない。
Cネルを堅く絞り最大限水を切る。切り切れないとろ過速度が遅れて渋みが出ておいしさを損なう。
D沸騰したヤカンからドリップポットに湯を移す。これにより80℃くらいになると思う。お湯が熱ければ苦味が増し、ぬるければ甘みが際立つ。苦みを抑えたければ70℃にする。
E200mlのコーヒーを抽出し、200mlの牛乳に合わせる
※計量をおろそかにしてはいけない!ドリップの量は200ml以上じゃないとおいしく淹れるのが難しい!
この配分で、shozoのカフェオレに近づける。コーヒー200ml未満のドリップは量が少なすぎておいしい抽出が難しいのでお勧めしない。3マグ以上出すときは、豆10g強:お湯100ml:牛乳100mlの比率ですからね!

※ネルドリップで淹れた方がこってり感がましてさらにおいしいのでお勧め。
ペーパードリップでは、紙の味までろ過されている。ペーパーのみでろ過するとよくわかる。この紙の味がカフェオレにすると邪魔をする。ネルの方が至極の喜びを味わえる。

※ペーパードリップで淹れる場合、漂白済みの白いやつがいい。new!
ペーパードリップをする場合、「漂白済み」の「白いやつ」を選んで欲しい。茶色い無漂泊のやつでは「紙臭さ」がコーヒーに移る。

<実験の詳細>

●実験したミルク一覧
実験したミルクは以下の通り。栃木県大田原市において入手しやすいものを基本的にピックアップしている。
@コープの十勝牛乳 Aローソンの3.6牛乳 Bトモエ乳業の特濃4.6 C那須牛乳 Dセブンの「毎日の食卓3.6牛乳」 E千本松牧場の牛乳F蒜山のプレミアムジャージー牛乳G南ヶ丘牧場のガンジー牛乳H青い国しこく(四国乳業) Iぼっちゃん(四国乳業)。J霧島山麓牛乳 K森林の牧場のジャージー牛乳。Lローソンセレクト3.6牛乳 M針谷乳業(宇都宮)の酪農牛乳 N小岩井乳業の農場3.7牛乳(特選) Oタカナシ乳業の倉敷牛乳(岡山) P日光霧降高原大笹牧場の牛乳

●shozoのカフェオレ豆と合わせてみたミルクの感想(カフェオレに特に合う牛乳は赤で示してある。)
@コープの十勝牛乳:製造者よつ葉乳業:無脂乳固形分8.5%以上:乳脂肪分3.7%以上:殺菌120℃2秒。単体であまくてうまい。カフェオレにすると普通に旨い。以降、この牛乳を基準に味を評価している。
Aローソンの牛乳。修正時現在、大田原のローソンに並んでいない。製造者など不明。なぜかコーヒーと混ぜると豆乳臭くなりおいしくない。
Bトモエ乳業の特濃4.6。これはビタミンDとカルシウム配合の乳飲料。単体でのむと風味が濃くおいしいしが、shozoのカフェオレブレンドに合わせた際には、際立った良さを感じなかった。他のコーヒーと合わせた時、濃い風味を楽しめた場合もあったが、逆にまずくなる場合もあった。成分を調整した乳飲料は注意したい。
C那須牛乳。共同と栃酪と栃木明治で同名の牛乳を出しているが修正時点どの製造者か分からない。普通にコーヒーにあう。
Dセブンの毎日の食卓3.6牛乳。製造者雪印メグミルク:無脂乳固形分8.3%以上:乳脂肪分3.6%以上:殺菌130℃2秒。これも普通にコーヒーにあう。
E千本松牧場の牛乳。製造者ホウライ:無脂乳固形分8.4%以上:乳脂肪分3.5%以上:殺菌65℃30分。よつ葉に比べやや甘い。カフェオレにした時、四つ葉のものと大差ない。
F蒜山ジャージ−牛乳プレミアム。岡山の牛乳。製造者蒜山酪農農協:無脂乳固形分9.0%以上:乳脂肪分4.7%以上:殺菌130℃2秒。通販で入手。コーヒーに混ぜると、明らかに非常にクリーミーで風味良くうまい。ただし1L500円で送料も1000円近くする。
Gガーンディゴールデンミルク。製造者南ヶ丘牧場:無脂乳固形分8.4%以上:乳脂肪分3.8%以上:殺菌75℃15分。900mlで1000円もするものの、単体で飲んでも苦手な臭みを発していて、コーヒーに混ぜると血のにおいを連想した。これは好みの問題ですので、皆さんには試してほしい。
H青い国しこく。製造者四国乳業:無脂乳固形分8.3%以上:乳脂肪分3.5%以上:殺菌130℃2秒。後味が、甘く、程よく牛乳臭いいい香りが鼻に抜けるいいかんじ。パッケージの絵柄はホルスタイン。すごくコーヒーにあう。
I坊ちゃん:製造者四国乳業:無脂乳固形分8.3%以上:乳脂肪分3.5%以上:殺菌130℃2秒。たいらやに土曜日に3本入る。単体で飲むとよつ葉に比べ、こってりクリーミー。青い国四国が店頭から消えて、この「坊ちゃん」が並んだ。どちらも四国乳業。青い国と坊ちゃんを飲み比べてはいないが、shozoのカフェオレ豆に混ぜて、違和感なく「うっめー」。甘み、鼻に抜ける牛乳臭さ、こってり感、コーヒーの風味がいいバランスで出ている。
J霧島山麓牛乳。生協にて入手。南ヶ丘牧場のガンジー牛乳に風味が似ているが、パッケージの絵柄はホルスタインだ。カフェオレにして飲むと、最初にミルクのいい香りと甘さがくるが、直後辛さが襲ってくる。後味も辛いというか苦い。コーヒーには合わない。
K森林の牧場のジャージー牛乳。製造者森林の牧場:無脂乳固形分8.0%以上:乳脂肪分3.0%以上:殺菌63℃30分。単価は500cc650円。送料は関東900円。高いけど単体で飲むと、味わったことのない牛乳。驚くほどに甘い。過去のメモから同じジャージーでも蒜山のものと風味が全然違うようだ。shozoのカフェオレ豆に合わせると、ミルクと珈琲のいい風味を消しあってしまい、甘ったるさと、弱いが豆乳様の臭みを感じた。shozoの豆とは合わない。
Lローソンセレクト3.6牛乳。生産者群馬牛乳協業:無脂乳固形分8.3以上:乳脂肪分3.6%以上:殺菌130℃2秒。成分無調整である。牛乳のみで飲むと、甘くこってり感があり、やはりやや豆っぽい青臭さはあるが総じておいしい。カフェオレにしてみた。やはり豆乳様の臭みを感じ、ねっとりというか、クリーミーでこってりに仕上がる。甘さが弱い。ねっとり感に感動するが、カフェオレとしてのおいしさはよつ葉に劣る。
M酪農牛乳。製造者針谷乳業(宇都宮):単体ではよつ葉と比べ甘いく癖がない。カフェオレにすると他のミルクより甘さが際立つ。変な癖もなくうまいが、もっとクリーム感が欲しい。
N農場3.7牛乳(特選)。製造者小岩井乳業(岩手県):無脂乳固形分8.5%以上乳脂肪分3.7%以上:殺菌130℃2秒。単体で飲むとよつ葉よりも牛乳の風味が濃く、四国のものの方向。甘みは四国の物の方が強い。カフェオレにした時、四国のものよりも甘さが弱くなりややクリーミー。オータニ黒磯店にて入手。オータニ全店にあると店の人はいうが、永田店では見つけられなかった。
O倉敷牛乳(岡山):製造者タカナシ乳業岡山工場。無脂乳固形分8.3%以上:乳脂肪分3.5%以上。蒜山ジャージーのメモが気になり岡山産を入手。メモから推測しておそらく同様な味わいだと思う。単体で飲んで際立った特徴はない。カフェオレにした時、飲み口際立った感想はない。後からクリーミーさとうまさが襲ってくる。これはすごい。
P日光霧降高原大笹牧場の牛乳:四国乳業の坊ちゃんと風味が近似。当地区では安価に買える。

●カフェオレにあうコーヒー豆(ストレート)

  コロンビア ブラジル キリマンジャロ  ホンドュラス エルサルバドル  モカ グァテマラ ケニア マンデリン 
 ミルクとの相性  ×  ○  △  ◎  △  ○  ○  △  ×

◇表記の説明:まずくてのめない(×) 飲めるけどうまくもない(△) うまい(○) すっげーうまい(◎)
◇感想 
ミルク+コロンビアは合わない。「口の中にティッシュを詰めた感じ」のようなパサパサ感と渋さを感じおいしく飲めない。
ミルク+マンデリンも合わない。豆乳の様な臭みを感じてしまう。ローソンの牛乳と合わせると、さらに豆乳様風味は強くなる。
酸味系とミルクは、あまりおいしいと感じない。
ホンデュラス。ガテマラあたりが最もミルクにあう感じを得た。スパイシーなコーヒーがミルクと合うのかもしれない。

●カフェオレにあうコーヒー豆の組み合わせ(ブレンド)

 ベースの銘柄 ホンドュラス  
ブレンドした銘柄 コロンビア  ブラジル  キリマンジャロ  ホンドュラス  エルサルバドル モカ グァテマラ ケニア マンデリン
 ミルクとの相性  ◎  ×  ー  ー  ○  △  ○  ー  ー

◇表記の説明:まずくてのめない(×) 飲めるけどうまくもない(△) うまい(○) すっげーうまい(◎)
◇感想
ホンドュラスとコロンビアのブレンドを試飲で、8割方shozoのカフェオレを再現でき、これをもち僕の探究心は一定の満足を得る。

<試飲メモ>

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